【背景】
当院は透析専門クリニックで、全通院患者119名のうち70歳以上が約80%(平均年齢約76歳)を占めており、31名が車椅子を利用している。これまで高齢者やADLの低下した要介護者を安全且つスムーズに階下へ避難させることは、時間や労力を要するため課題の一つであった。
【目的】
当院では電力、動力を用いずに要介護者を車椅子に乗せたまま避難させることができる降下型避難機器UDエスケープWithを国内で初めて導入した。安全性や操作性について、非常用階段避難車イーバックチェアと比較を行ったので報告する。
【対象/方法】
職員25名を対象に、2階から1階までUDエスケープWithとイーバックチェアを使用したそれぞれの避難時間の計測と安全性や操作性について比較アンケートを実施した。
【結果】
一人当たりの平均避難時間はUDエスケープWith約44秒、イーバックチェア約90秒であった。職員アンケートでは、イーバックチェアと比較し92%が安全だと思うと回答し、操作性については全職員が操作しやすいと回答した。
【まとめ】
UDエスケープWithは安全且つ操作が簡便で、高齢者やADLの低下した要介護者の避難にかかる時間の短縮や労力を軽減させることができる。
(令和6年2月23日、於:みやこめっせ(京都市勧業館))